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音楽・2013年


今年も思ったより多くは通えませんでした,残念.しかし,あまりそんな気もしないのは一つずつが充実していた証拠でしょう.

毎回楽しませてくれるミンコフスキ,今回は手兵との来日.CDで事前に出ていたものでは些かおとなしい印象をもちましたが,実演は不安を払拭してくれる素晴らしさで,特にグレイトは感動的でした.高橋望さんのコンサートは自宅から最も近いコンサートホールである谷中音楽ホールで.ご自身での解説をされながらのコンサートは選曲の理由を含め興味深く,ロンターノでのデュオはシューベルトの深淵に触れました.両方ともアンコールは聴きものでした.

今年はシューベルトの当たり年で,ブリュッヘンもシューベルト.異なるオーケストラでの未完成とグレートというのも面白いものでした.メインプログラムの素晴らしさもさることながら,古楽の牽引者としての凄さはアンコールのバッハにあったように思います.最初の音で一瞬にしてその場の雰囲気を変えてしまう「何か」,ロザムンデもとんぼも何か優しく奏でられる音楽が印象的でした.

秋のシーズンは毎年立派な(高価な?)ものが聴けますが,今年のラインナップは突然席が解放されて前日に買い求めたウィーンフィル,なぜか安い席が手に入ったスカラ座の公演へ.ウィーンは久々に聴きましたが,ベートーヴェンの初期の交響曲,いずれも立派でした.特に「英雄」の第2楽章は特に木管のソロの演出が素晴らしく忘れがたい出来栄え.どこまでも高貴でありながら目だけに涙を浮かべる,葬送行進曲とはこういうものであったかと深く納得しました.スカラは10年くらい前までの強烈は舞台演出はもって来にくいのか,2000年に豪華で魅せた「リゴレット」とお洒落なことこの上ない「ファルスタッフ」.リゴレットのヌッチが聴けなかったのは残念でしたが(映像を観ましたが立派でした)音楽は若い指揮者に導かれて良かったように思います.個人的にはファルスタッフの

今年はワーグナーとヴェルディの生誕200年.ヴェルディはスカラ座が来たのですが,ワーグナーは何も聴けず仕舞いか,と思っていたところ,日本ワーグナー協会主催の生誕記念コンサートを聴く幸運に恵まれました.事前のアナウンスでは指揮は

ここ数年恒例になったペーター・レーゼルはベートーヴェンのチクルスが終わってロマン派.とにかく何を聴いても安心して音楽に浸れるのが嬉しいところです.

唯一痛かったのはアバドの来日キャンセルでした.前回聴いたのは2000年のトリスタン(超名演!)でルツェルンとの来日は前回を聴きそびれていて,今回はとても良い席を手に入れていたこともあり,ガッカリ感はここ数年で一番.大分高齢になられましたが,是非復調してもう一度来日してくれれば嬉しい限りです.



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